
2WDと4WDの燃費って違うの?
もし2WDと4WD選ぶならどっちがいい?
こんな疑問を持つ人も、多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、2WDのほうが燃費はいいものの、4WDとの差は1割程度。
昔に比べるとほとんど変わらないといえるでしょう。
とはいえ、「あまり変わらない」と言われると、ますます悩む人も多いはず。
そこで、燃費の違いはもちろんのこと、2WDと4WDの選び方をこの記事で徹底解説します。
2WDと4WDの燃費は、今では大した差がない
最初に紹介したように、2WDと4WDだと2WDのほうが1割ほど燃費がいいです。
とはいえ、昔に比べると燃費の差がなくなったともいいました。
そこでこの章では、2WDのほうが燃費がいい理由と、昔と比べて差がなくなった原因を見ていきましょう。
原因①:車両重量
1つ目は「車両重量」です。
車種によりけりですが、ほとんどの車種では2WDより4WDのほうが50kg前後重いです。
なぜ重たいかと言いますと「駆動輪※が2つから4つに増えることで、エンジンからタイヤに力を伝えるパーツが多くなっている」から。
※駆動輪:エンジンから出力された回転運動によって動く車輪のことである。
引用元:オートモーティブ・ジョブズ
2WDは「FF」「FR」「MR」「RR」の4種類があり、先頭のアルファベットが「エンジンの位置」、後半のアルファベットが「駆動輪の位置」です。
それぞれの型式の特性についてはこの記事で割愛しますが、前後の違いがあるとはいえ、駆動輪はどの型も「2つ」。
一方で、4WDは4つとも駆動輪となるため、エンジンの力をタイヤに伝えるためのパーツが単純に2倍必要。
パーツが増えて車重が重くなると、同じ速度まで加速するにも多くのエネルギーが必要……つまり燃費が悪くなります。
原因②:走行時の抵抗
2つ目は「走行時の抵抗」です。
走行しているときに生じる抵抗は、以下の4種類です。
- 加速抵抗:車が加速する際に生じる抵抗
- 空気抵抗:車が走る際に、表面の空気との摩擦で生じる抵抗
- 勾配抵抗:坂道を上るときに生じる抵抗
- 転がり抵抗:タイヤが転がるときに発生する抵抗
なかでも2WDと4WDの違いに影響するのが「加速抵抗」と「転がり抵抗」。
加速抵抗は先ほども触れたように、車重が増えたことで4WDのほうが大きくなります。
一方、転がり抵抗は駆動輪が2つから4つなったことで増えたため、燃費も悪くなりますね。
原因③:センターデフ
3つ目が「センターデフ」と呼ばれる仕組みで、4WDのほうが燃費が悪いと言われていた1番の原因です。
車検や点検で聞く「デフオイル」は、まさしくセンターデフに使われるオイルのことです。
センターデフは4WD車で前輪と後輪の回転差を無くすための装置で、主にカーブを曲がるときに使われます。
昔の4WD車は、センターデフで調整し常にフル稼働するため、燃費が悪化。
2WDと比べて20%も燃費が悪くなるケースも珍しくありませんでした。
しかしながら、最近の4WDはセンターデフではなく「電子制御式の多板クラッチ」を使うことで燃費が改善。
なぜなら「多板クラッチを用いることで、駆動輪に滑りが生じない舗装路では『ほぼ2WD』となる」ため。
普段は2WDで必要に応じて4WD化してくれるのは、両方の「いいとこどり」と言えますね。
2WDと4WDで燃費に差がないなら、どっちを選ぶべき?
とはいえ、ここまで見て「2WDと4WDで燃費に差がないならどっちを選ぶべき?」とますます混乱された方もいるでしょう。
正直なところ、どちらを選んだほうが良いのかは「使う環境」によります。
この章にて、2WDと4WDでそれぞれおすすめの人を紹介しますので、参考にしてみてください。
2WDがおすすめの人
2WD車は、以下のような人におすすめです。
- 雪がほとんど降らない地域に住んでいる人
- 車体価格や燃費を少しでも抑えたい人
- クイックなハンドリングを楽しみたい人
雪がほとんど降らない地域に住んでいて、スキーやスノーボードに行かないという人は2WDがおすすめです。
燃費はもちろんのこと、部品点数が少ないことから車体価格も4WDと比べて抑えることができますからね。
また、「イックなハンドリングを楽しみたい」人も2WDがおすすめといえます。
車種や好みによりますが、FR車やMR車を選ぶと、4WDやFFにはない操作感を楽しめることが多いでしょう。
4WDがおすすめの人
一方で、以下のような人は4WD車がおすすめ。
- 雪が降りやすい地域に住んでいる人
- キャンプやウインタースポーツを楽しみたい人
- 高速道路での移動が多い人
雪の降りやすい地域はもちろんのこと、キャンプやウインタースポーツなどで休日に悪路を走る人にもおすすめです。
4WDだから絶対に滑らないとは言えませんが、2WDと比べるとスリップのリスクを抑えることができるので、安心して運転できるのではないでしょうか。
また、駆動輪が多い分、高速域でも安定して走ることができます。
私もFFと4WDを乗り継いできましたが、駆動力に優れた4WDのほうが安心して運転できたことを今でも覚えています。
まとめ:2WDと4WDで燃費の差は1割程度
この記事では、2WDと4WDにおける燃費の差について解説しました。
2WDと比べて4WDは、かつて2割ほど燃費が悪いと言われていました。
しかし、「電子制御式の多板クラッチ」が採用されたことで燃費が大幅に改善され、今では1割程度にまで改善。
とはいえ、2WDのほうが部品点数が少ないことから、車体価格や燃費などの維持費は安いもの。
- 雪が降りやすい地域に住んでいる
- キャンプやウインタースポーツを楽しみたい
- 高速道路での移動が多い
これらに1つも当てはまらない人は、2WD車で十分でしょう。
逆に1つでも当てはまる人は、4WDも視野に入れることがおすすめですね。
この記事が、2WDか4WDか迷うあなたにとって、参考になれば幸いです。
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