【メリット】エンジンブレーキを使うと燃費が良くなるって本当?【デメリット】

エンジンブレーキを使うと燃費が良くなる、というニュースを見た人も多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、良くはなるものの微々たるものです。

しかし、エンジンブレーキには

  • ブレーキの故障を防ぐ
  • 車のコンディションを良くする

といった大きなメリットがあるので、適度に活用していきたいところ。

この記事では、エンジンブレーキと燃費に関することはもちろん、メリット・デメリットについても解説します。

エンジンブレーキを使うと若干燃費は良くなる

冒頭でも紹介したように、エンジンブレーキを使うと若干燃費が上がります。

なぜかと言いますと、「減速するためアクセルを離したときに、一定以上のエンジン回転数があると、燃料を使わないようにできている」ため。

専門用語では「燃料カット(フューエルカット)」といいます。

燃料カットの状態だと、車は止まっておらず走行距離は伸びるのに燃料は消費されない……つまり燃費が良くなります。

ただし、使う場面が赤信号などで止まる直前に限られますし、燃料カットの時間もさほど長くないことから、燃費が5km/Lや10km/L伸びるといったことはないでしょう。

エンジンブレーキを使うことによる燃費以外のメリット

エンジンブレーキを使うことで、燃費が若干良くなることはおわかりいただけたでしょう。

しかし、それ以外にもエンジンブレーキには以下のようなメリットがあります。

  • 下り坂の速度調整がしやすい
  • 高速道路出口での減速がしやすい
  • エンジン内にたまったカーボンを外に出せる

1つずつ説明していきますね。

メリット①:下り坂の速度調整がしやすい

1つ目は「下り坂の速度調整がしやすい」ことで、燃費を考えない人にもぜひ覚えておいてほしいメリットです。

なぜかと言いますと、下り坂で通常のブレーキを多用すると、ブレーキが利かなくなる可能性があるから。

下り坂では速度を抑えるためにブレーキを踏み続けることが多いですが、ブレーキはパッドとローターという部品をこすることで効くようになる仕組み。

連続してブレーキを使うことで発熱します。

大根おろしを長時間行っていると熱くなるのと同じですね。

しかし、熱によってブレーキフルードというペダルの圧をブレーキに伝える油が沸騰してしまいます。

そして、気泡が生じることでブレーキペダルを踏んでも圧が十分に伝わないことから、ブレーキが作動しなくなるという仕組みです。

山道をドライブやレジャーで通ったときに見かける「ブレーキ故障車待避所」というのは、ブレーキが利かなくなった車が大事故を起こさないために、減速できる場所として設けています。

メリット②:高速道路出口での減速がしやすい

2つ目は「高速道路の出口での減速」です。

インターチェンジはもちろん、サービスエリアやジャンクションなどで一般道路より急な減速が求められます。

これらには急カーブも多く、ブレーキが遅れてしまうと大事故につながります。

かといって、出口手前から減速してしまうと後続車の流れを止めてしまい迷惑です。

しかし、エンジンブレーキを活用すると、フットブレーキでの減速に上乗せして速度を落とすことができます。

そのため、短時間で十分な減速を行うことが可能です。

メリット③:エンジン内にたまったカーボンを外に出せる

3つ目は少し難しいお話です。

エンジンは「回しすぎると壊れる」というイメージが強いですが、回さなさ過ぎても壊れてしまいます。

エンジンにはガソリンやエンジンオイルの燃え残りといった「カーボン」がたまっていますが、高回転まで回すことで空気の流速が上がることで燃焼させることができます。

カーボンを溜めたままにしておきますと、エンジンの調子が悪くなり、最悪の場合はオーバーホールということも。

たまにエンジンブレーキを使いながら高回転で走らせることは、車のコンディションを良くするためにも欠かせないでしょう。

エンジンブレーキを燃費削減のために使うデメリット

一方で、エンジンブレーキを燃費削減のために使うデメリットもあります。

具体的には以下の2つで、詳しく解説します。

  • 後続車から追突される可能性がある
  • 多用しすぎるとかえって負荷がかかる

デメリット①:後続車から追突される可能性がある

1つ目は「後続車から追突される可能性がある」ことです。

エンジンブレーキは通常のブレーキと違い、ブレーキランプが点灯しません。

そのため、後続車との車間距離が近かったり、後続車のドライバーがぼーっとしていたりすると追突されやすいです。

特に昨今の車はエンジンブレーキがかかっていても静かなことが多く、わかりづらいもの。

使用するときは後ろとの車間距離を確認したり、ポンピングブレーキ(ブレーキランプを数回点滅させる、ドリカムの曲のイメージ)を活用するなど周囲を確認しましょう。

デメリット②:多用しすぎるとかえって負荷がかかる

2つ目は「多用しすぎるとかえって負荷がかかる」ことです。

特にマニュアル車の方に多いですが、無理なシフトダウンをたびたび行うと、エンジンやトランスミッションに負荷がかかり故障してしまうかもしれません。

いい音がするのはわかりますが、ほどほどの使用に留めておきましょう。

まとめ:エンジンブレーキは燃費以外のメリットの方が大きい

この記事では、エンジンブレーキで燃費が良くなるのかどうかと、メリット・デメリットを紹介しました。

エンジンブレーキを使うことで燃費は若干良くなりますが、大幅によくなるとは言えません。

しかし、下り坂や高速道路での減速がしやすくなったり、車のコンディションをよくしたりというメリットがあります。

必要に応じて使うようにしましょう。

ただし、後続車から追突される可能性や、部品に負荷がかかることもありますので、ほどほどに。

この記事が、楽しいカーライフの助けとなれば、私は幸いです。

【メリット】エンジンブレーキを使うと燃費が良くなるって本当?【デメリット】」への2件のフィードバック

  1. 須田 俊一 返信

    エンブレ使うと煽る阿保が消える!
    燃費は良い
    トラック等物流関連の人は安心運転で付いて来ますよ
    MT車はカタログ燃費と実燃費の差が少ない
    山間部・雪道での燃費とトルク差ではMT車にはトルコンはかなわない
    峠をMTで走ると歴然!
    軽の箱バン(積載:350㎏・2名乗車)サンドブラスター設置道路を毎日一往復してみれば判るさ
    トルコン特攻隊大歓迎!

  2. 角井秀和 返信

    エンジンブレーキというと、車が好きな人ほど、シフトダウンをしてのブレーキングを考えます。こういう記事を読む人は、車好きが多いものです。車好きの中には、正しく車を勉強した人と、伝説を信じてしまってあやまった理解をしている人がいます。

    今回誤解を受けやすいのは、
    ①減速を必要とするということは、それそのものが、加速のし過ぎや、赤信号の前でいつまでも速度を保持しているというような無駄から発生します。それがまず書いてありません。

    ②①を前提として、エンジンブレーキをしようして、ゆっくり減速するような運転は、無駄な加速や無駄な速度保持がないということになり、結果的に省燃費になるのであって、エンジンブレーキそのものが省燃費になるわけではありません。

    ③では、燃料カットの効果はないのか?という話になりますが、緩いエンジンブレーキでは「燃料カット」ではなく、アイドリング程度の燃料噴射になります。強いエンジンブレーキでは燃料カットですが、そもそも強いエンジンブレーキを必要とする状態こそが省燃費ではありません。

    ④下り坂はどうやって走るのが良いかと言われれば、間違いなく、シフトダウンを伴うエンジンブレーキです。これは燃費より安全上の問題です。ただ、結果的に「燃料カット」になるため、燃費は向上します。ただし、低いギヤだと、ちょっと勾配が緩くなると減速しすぎになり、急ぐドライバーはアクセルを踏んでしまいますので逆効果が出ます。アクセルではなく、シフトアップで対応すべきです。

    また、近年のAT等では、D4,D3,2,Lのように細分化されておらず、エンジンブレーキを調整しにくい車種があります。例えばDとL、DとS,DとBしかないような場合です。

    ハイブリッド車では、アクセルを離すだけでは、下り坂で減速できないものがあり、追加でブレーキを踏む必要が出てきます。軽く踏めば発電量の増加になりますが強く踏めば、ブレーキパッドが接触し、燃費は向上しません。また、べーぱーロックの危険も出てきます。この辺はメーカに訴えたいところです。

    ⑤エンジンブレーキや「若干燃費が向上する」はエコ運転が下手な人の話であり、エコ運転の達人は、まさにここで稼いでいます。なぜなら前述のように、無駄にブレーキを踏む必要がない走行、つまり、無駄な加速や無駄な速度保持をしないことを心がけているからです。そのことを説明する必要があります。
    したがって、「若干燃費が向上する」は間違いで、「ペダルによるブレーキを使う必要がない走行こそが劇的に燃費を改善する」が正解です。

    収集AIもこういった記事や、自動車ファンの書き込みなどを拾い集め、正しくない知識をさらに拡散しています。ぜひとも、慎重な検証の上、記事を掲載するようにしてください。

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